この数年で世の中が畑ブームになったり、花も必要不可欠なアイテムとして捉えられ育っている姿をみたい収穫したい!という、いままで見えてなかった種から育った成果物や花になる手前のルーツを知りたいっていう気持ち。それはコロナがくれた宝物。
生活必需品って?
それは緊急事態宣言時に自問自答したこと
日本では認められていない花も、ヨーロッパでは「生活必需品」としてみなされるという価値観の違い。
でも生活必需品とされる衣食住の全ては、実は全部植物で成り立っているという気づき。
そして生活必需品のトップにいると欧米諸国ではされている「食」。でも、日本では「衣食住」という言葉とおり、「衣」が先に来る理由。それは植物が持つ効能がもたらす糸が布になった時に、着用するだけで命をまず守ってくれる一枚だから。
そんな「衣食住」ならぬ「衣食植住」、すでにある私達日本の歴史からヒントをえて、未来をどう描いていきていこうか?を一緒に考えていけたらいいなあと思っております。生活必需品を昔はこうして作られて、こうして生活していたんだよ、と教えてくれる、20年来のお知り合いである吉田真一郎さんとともに。
Life is beautiful ⾐・⾷植・住“植物が命をまもる⾐となり、命をつなぐ⾷となる”⽣きるために不可⽋なものはなんだろうか。この世界には、⽔、空気、⼟、太陽、⾷物、など多くのものが存在し、私たちの命を繋いでいる。
何千年もの間、先⼈たちは限られた資源の中で知恵を絞り、植物から⾐服をつくり、⾷物を得て体を養い、住まいを構え暮らしてきた。
その⽣活に⽋かせない素材としての植物は、現代を⽣きる私たちにとっては少し遠い存在となり、その価値は薄れつつあるのかもしれない。
⼀⽅で、植物の美しい姿や放たれる⾹りに⼼が癒され、「⼼の栄養」として、⼈々の⽣活にあり続けるものでもある。⾷物が体のエネルギーであるならば、植物は⼼のビタミンとも⾔える。きっと、⾷物と植物は、体と⼼という命を守るために⽋かせないものなのだろう。
そんな気づきをさらに深めてくれた“⼤⿇布”との出会い。⼤⿇という植物が⽷となり、⽷から布へ、そして⾐服として肌⾝を守ってきた営みが、稲作⽂化よりもずっと古く 1 万年以上前からあったこと。その⽂化は、今からほんの 70 年ほど前まで続き、⾐服、⾷品、住宅、医療、神事の道具として、⽇本の暮らしになくてはならい存在だったこと。
それらの事実に触れたとき、果たしてこれからの暮らしは、⾐⾷住はどうしていこうかと思いを巡らせ、未来について考えるきっかけとなった。⼈と植物の関係性を⾒つめれば、命の循環が⾒えてくる。壊すだけではない、時代をつないでいける⽣き⽅のキーは、植物にあるのかもしれない。
本展は、「⾐・⾷植」に焦点を当て、⾃然布の第⼀⼈者である吉⽥真⼀郎⽒と、⼤⿇布を現代に甦らせた⿇世妙-majotae チームとともに創り上げた展覧会です。次の 1 万年後のために、これからどういう世界を描き、どんな景⾊の中で⽣きていきたいか。先⼈たちが残しhttp://GYRE 3F / 東京都渋谷区神宮前5-10-1た「古布」や、現代を⽣きる布「⿇世妙-majotae」を⾒て触り体感しながら、未来について想像を⽻ばたかせていただければ幸いです。