太陽と空気の溜まり場

先月末に設営をしていたトランクホテルのロビーアート。ガラスの作品のテーマです。もしよかったら、見にいってみてください。

太陽と空気の溜まり場

見過ごしていることに、ヒントがいっぱい詰まっている。
当たり前の存在に、果てしない無限の世界が潜んでいる。

秋が来ると鈴虫が鳴いたり、一気に日差しが優しくなり、風が少し寒くなったり、栗やらイチヂクやらと季節を味わうことができたり、ススキ、コスモス、イチョウなどの草花がちゃんと秋に咲いてくれたり。

そんな当たり前に来るいろんなことが、当たり前に来るまでに歩んだ過程って、知らなかったり見えてないことが多い。

地中の湿度や水分量が季節ごとに違うこととか、天候の変化による太陽の光量が日々違うこととか、計算できない天気に左右されながら、どういう場所でどうやって育てられた作物か?とか、どんだけの気候変動があった上で、それでもちゃんと季節がなぜきているか?とか、

その見えない動きを感じたり、知っているだけで、その当たり前が、より味わい深く、想像しやすく、かかわりやすくなる。

Roots(ルーツ)をたどる。
それは今の私たちにとって、豊かな”振り返り”。

天気によって変化する光の強さ
季節によって魅せる地中の水分量
そんな見過ごしがちな大切な存在を覗いてみてください。

日中の光を溜めこみ、夜になると見える光となって、その日の記憶を回想させる。
水分が多い季節に育ってたんだなあと気づかされる気泡の大小による湿度の存在。

触れることはできないけど確かに居る、光と空気の世界に身を置いてみる。

形や存在にこだわらず、形のない、見えない何かに目を向ける。その”見えない何か”を愛おしく思える人生は過去と未来をつないでいける原動力となる。